猫の行動問題:それを解決する方法
私たち人間と同じように、猫ちゃんもストレスや寂しさを感じて問題行動を起こしてしまう事があります。
いつも自由気ままに見える可愛らしい猫ちゃんたちも、「怖い」「嬉しい」「不安」「イライラする」などいろいろな感情を感じることができると言われています。
猫ちゃんがイタズラをするのはごく自然な事です。
特に心配する必要はないのですが、たまに対処が必要な問題行動を起こしている場合があるので、しっかりとあなたの猫ちゃんを観察してみてください。
今回の記事では、よくある猫の問題行動の例とその対策を紹介していきます。
また、お家ケアでの改善が難しい場合に、どのタイミングで獣医さんやセラピストに診てもらうのがいいかもお伝えします。
猫の問題行動の原因
猫の問題行動の原因はいろいろありますが、よく挙げられるのは親猫からの遺伝や体の不調、環境の変化などです。
他には、怖いや寂しい気持ちになる状況を学習したり経験したりする事がトリガーになる場合もあります。
世界中の獣医に最も広く使われているMSDマニュアルによると、猫の問題行動は親猫ら遺伝すると言われています。
なので、飼い主さんも遺伝もあるんだなと心に留めて、自分を責めすぎないでくださいね。
後天的な理由では、子猫が生まれた時の環境や、人間とのスキンシップの頻度や仕方、新しい環境や知らない場所に行く事が、猫の気質に影響を与える事があります。
もしくは、子猫から成猫になる段階で、脳の発達の過程によって問題行動を起こしているのかもしれません。
他にも、ホルモンバランスの乱れも、急に気性が荒くなったり臆病になったりする原因だと言われています。
また、加齢に伴って脳の感情調節機能が低下し、恐れや不安と言った感情が増える事も報告されています。
このように猫が問題行動を起こす原因は様々です。
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よくある猫の問題行動6選
もしあなたの猫ちゃんの行動に病気の兆候や症状が見られた場合、病気がこれ以上進行しないようにしっかりと行動と経過を観察してあげましょう。
大きな声で鳴くようになった
夜、お布団に入って「さあ寝よう」と思った時に、猫ちゃんが大きな声で鳴いて眠れないことはありませんか?
ライオンやトラと同じネコ科の猫も元々は夜型のハンター気質を持つ動物。
なので、夜に大きな声で鳴く特に珍しいことではなく、夜行性なので夜間により活発になります。
夜にお腹が空いていたり、遊びたかったりして鳴く事はよくあります。
他にも以下のような理由があります。
猫が大きな声で鳴く理由:
- 老化のサイン:猫が高齢で遠吠えのように鳴く場合は、老化のサインの可能性あり
- その種類の特性:シャム猫は他の品種よりもお話好きなので、夜間に飼い主の注意を引くために大きな声で鳴く事がある
- 退屈している:夜は遊び相手がいないので退屈して鳴く事がある
こんなサインがあったら要注意:
- 不快感や痛み:日中に大きな声で鳴いたりや苦しそうに鳴いたりする場合は、病気が隠れているサイン。トイレをしながら鳴いている場合は、排尿や排便の時に不快感や痛みを感じている可能性あり。
- ケガの痛み:病気などがないのに大きな声で鳴く場合は、他の動物とのケンカで怪我をしていたり、しっぽをどこかに挟んで痛めてしまった可能性あり。
- 寂しさ:日中に猫が叫ぶように鳴いたり、ずっと鳴いている場合は、寂しくて飼い主の注意を引こうとしている可能性あり。
猫が大きな声で鳴く場合の対処法は?
夜に大声で鳴く場合は、日中にたくさんエネルギーを消費できるようにアクティビティを工夫したり遊んであげたりする事で、夜間はゆったりリラックスできるようにしてあげましょう。
大きな声で鳴いている時に飼い主の注意を引きたいのか、お腹が空いたのか、外に出たいのかなど猫が求めている事に応えてあげて原因を消去法で見つけていきましょう。
一つ注意したいのは、もし猫が注意を引きたくて鳴いている時にかまってしまうと、大きな声で鳴けばかまってくれると学習してさらに大きい声で鳴く習慣がついてしまうので線引きをしっかりする事が大切です。
過剰にどこでも爪とぎをするようになった
猫の飼い主を対象にしたアンケート調査によると、約84%の猫が家具や家の壁など爪とぎしてほしくない場所で爪とぎをするという結果が報告されています。
あなたの猫ちゃんは椅子やカーペットなどを好んで爪とぎをしていますか?
これは爪とぎトレーニングをしていない猫にとってはごく普通の事なのでこれから改善していけます。
猫は爪を使って自分の縄張りをマーキングするの習性があります。
でも猫ちゃんがどこでも爪とぎをしてしまうと、家の中のものがどんどん傷だらけになって困ってしまいますよね。
そんな時は、爪研ぎポストや爪研ぎ用のおもちゃに頼ってみましょう!
猫がどこでも爪とぎをしてしまう場合の対処法は?
猫ちゃんに爪とぎをしてほしくない物の近くに爪研ぎポストを設置してみましょう。
そこに、キャットニップや猫草などを振りかけておくと猫ちゃんが興味を示して寄ってくるはずです。
猫によってはポストの素材の好き嫌いがあるので、できればいろいろな質感の爪とぎポストを試してあげるのが理想的です。
今使っている爪とぎポストが気に入らない場合は、段ボールやロープ、カーペットなどいろいろな素材で作られたポストを試してみてください。
また、お家の壁や家具を守るためには爪キャップを付けたり、爪とぎポストにフェロモンスプレーをかけて落ち着かせるのもありです。
フェロモンスプレーや拡散器などは適度に使う事で、猫ちゃんをリラックスさせてストレスや不安による過剰な爪とぎを防いでくれます。
それでも爪とぎが治らない場合は、最終手段として爪抜き手術という方法もありますが、この手術は猫ちゃんにとってかなりの負担になるので、しっかりと下調べをして、獣医と相談した上で決めてあげてください。
噛み癖がついてしまった
犬に比べると猫は比較的噛み癖が少ないと言われますが、猫が過剰に家具やものを噛んで壊してしまうことは珍しくありません。
猫の噛み癖は、退屈している時や警戒している時、または栄養不足や子猫の歯が生え変わる時期、または早期に母乳を止める事によって起こることがあります。
もしかしたら、特に意味はなく物の味や質感を楽しんで遊んでいるだけという事もあります。
猫の噛み癖への対処法は?
まずは噛み癖の原因を見つけて、ぴったりな解決策を見つけましょう:
- 栄養豊富なエサを試す:あなたの猫ちゃんが栄養不足なようなら、全米飼料検査官協会(AAFCO)の認証マークがついているエサを試してみるのがオススメです。このマークがついているキャットフードは「総合栄養食」と呼ばれ、猫にとって必要な栄養(水を除く)をすべて含むペットフードです。
- 病院で歯を診てもらう:もし歯がムズムズしているように見えるなら、獣医さんに相談してみましょう。
- グッズやサプリに頼る:猫ちゃんが噛んでいるものに対して威嚇している可能性もあるので、よく観察してみましょう。ストレスや不安を軽減するためのサプリメントや他の便利グッズが役立つかもしれません。
- 運動量を増やす:おもちゃを与えて思いっきり遊ばせてみましょう。
- しつけスプレーや保護カバーを活用:噛んではいけない物を何度もガジガジ噛む猫には、苦いしつけスプレーが効果的です。他にも、ケーブルやコンセントのような小さくて危ないものには、プラスチックやゴム製のカバーをかけて保護するのもいいでしょう。
どこでもおしっこでマーキングをする
おしっこのトラブルは猫ちゃんの飼い主なら一度は経験した事があるのではないでしょうか?
猫は膀胱結石や炎症、ストレス、感染症、他にも腫瘍などいろいろな要因によって、トイレ以外の場所で、おしっこをしてしまうことがあります。
他の猫とケンカをしたり他に飼っているペットに警戒心を感じてストレスを感じてしまう子も多いでしょう。
また、最近引っ越しをしたり、新しいメンバーが増えたなどお家の中の変化が猫ちゃんにストレスを与えてマーキングを引き起こすことがあります。
どこでもおしっこでマーキングしてしまう場合の対処法は?
まず、あなたの猫ちゃんがおしっこしている時に辛そうにしていたら、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
動物病院に行って特に体に不調が見つからなかった場合は、過剰にストレスがかかっていたりトイレが気に入らなかったりなど他の原因を疑いましょう。
以下がお家でできる対処法です。
- トイレを清潔に保つ。
- 多頭飼いしている場合は、トイレを共有させずに猫1匹あたり1つのトイレを用意する。
- トイレの砂を減らすか、無香料や別のトイレ用砂を試してみる。猫がトイレを使ってくれない理由として、トイレが深すぎるか、砂が好みでない場合がある。
- 多頭飼いしている場合は、猫たちがお互いにトイレをしている時に見えないようにしてあげる(猫ちゃんは実は恥ずかしがり屋なんです)。
- 家の中にストレスの原因になっていそうなものがあったら、猫に見えない場所にしまうもしくは処分する。
急に攻撃的になった
猫は人間や他の動物に対して急に攻撃的になることがあります。
これはお世話がしにくくなっらり飼い主さんもケガをしてしまったりとなかなか深刻な問題行動です。
猫が攻撃的になる原因は、体の不調、ホルモンバランスの変化、またはストレスや不安などがあります。
攻撃的な行動への対処法は?
まずは、猫が攻撃的な行動を起こす前兆とトリガーを見つけましょう。
猫はちゃんをトリガーに慣れさせて、猫ちゃんが過敏に反応しないように工夫してあげましょう。
フェロモンやお薬、サプリメント、気持ちが落ち着く食事メニューなど猫ちゃんの気持ちが落ち着くようにいろいろ試してみてください。
思いっきり遊べるおもちゃで運動を促して、他のものに集中させるのもいいですね。
観葉植物を食べるようになった
肉食の猫でも、たまに植物を食べたくなることがあります。
でも、観葉植物の中にはあなたの猫ちゃんの健康に危険を及ぼすものもあるので要注意です。
観葉植物を食べてしまう時の対処法は?
まずは、プランターに松ぼっくりを何個か置いてみてください。
他にも、観葉植物の近くに猫草やウィートグラスを置くと猫ちゃんはそっちに興味を示して観葉植物にイタズラする事が減るでしょう。
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猫の問題行動を根本的に解決するには
猫ちゃんの問題行動に対してお家でできる対処法はたくさんあります。
行動トレーニングを選ぶ飼い主さんもいれば、お薬を使って改善を目指す飼い主さんもいて、どの飼い主さんも猫ちゃんをもっと幸せにしてあげたいという気持ちは同じなはずです。
お家でできる対処法はたくさんありますが、問題行動を根本的に解決するには不調や障害を特定して治療計画を立てる事が大切です。
対処法をいろいろ試しても問題行動が改善しない場合は、獣医さんに相談することを強くお勧めします。
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今回のまとめ
ここまでブログを読んでいただきありがとうございます!
問題行動を予防するには、子猫のうちにいろいろな環境や経験をさせてあげる事が大切です。
こうする事で、しなやかに環境の変化に適応できる猫に育って問題行動を起こしにくくなります。
また、栄養バランスの摂れた食事とおもちゃを使った適度な運動で猫ちゃんの生活の質を向上させてあげると、退屈に感じることも少なくなって猫の問題行動を改善できます。
問題行動を予防するためのトレーニングを早めに始めるのもいいですね!
あなたと猫ちゃんが毎日アクティブでハッピーに過ごせますように!
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